POCO A POCO
第6号 99年7月25日

      ドミニカ共和国 埜口 香代子

皆さん、ご無沙汰しています。第5号から実に約3ヶ月ぶりです。この間、忙しかったというよりは、精神的にしんどかったですね。今は楽になったというわけではありませんが、少しずつぶつかる壁を乗り越えています。まずは前回の続き『ヤマサ』について簡単に報告します。

☆第3弾 『YAMASA』(ヤマサ)   (@_@)
ここには村落開発普及員という職種で2人の隊員の他、専門家等も数人活動しています。ここには胡椒のプロジェクトがあり、胡椒を中心にいろんな作物を試験的に栽培している「試験農場」があるのです。首都からはわずか1時間半ほどの近くにある村なのですが、すごい田舎です。今でも裸足で歩いている人たちがいます。電気や水も十分ではありません。まさに隊員が活動するにふさわしいと言った所です。しかし、なんでまた私たちは6時間半もかけて行ったのでしょうか・・・。私を含めて5人で行きましたが、みんなヤマサは初めてでした。出発点から間違っていたため、とんでもない所まで行ってしまったのです。日本でもそうですが、同じ地名を持つ所ってありますよね?それで同じ地名でありながら、遠くまで行ってしまったのでした。さてどうしたもんかとみんなで考えましたが、結局は乗ったバスに交渉して貸しきりで目的地まで連れていってもらうことになりました。メンバーの中にスペイン語ができる人が2人(1人は日本人だが、地元の大学生。もう1人は隊員のOB。)いたので何とかなりましたが、もし彼らがいなかったらもっと大変でした。やはり、語学の大切さを痛感しました。9:00に出発して到着したのは15:30。待っていた隊員や村の人は反対方向から、それもバスなど通ったことのない道に見慣れないバスなどが入ってきたもんだから、それはビックリしていました。かつてないことだと言われ、私たちはこの村に歴史を刻んだ?のでした。道を通っているのは数少ない車の他、バイク、馬、人です。至る所に「コルマド」というタバコや飲み物、お菓子、ちょっとした食べ物等が売っている小さなお店があります。スーパーなどはありません。それなのにディスコがあるのには笑ってしまいました。コルマドでビールを飲みながら軽く食べていたら地元の男の子やおじさんが踊ろうと言って誘います。私もとうとうコルマドデビューを果たしました。この辺りには「バチャータ」という音楽があり、それに合せて踊ります。日本ではサルサやメレンゲといったものがよく知られています。もちろんその後、みんなでディスコに行きましたが、そうはいっても綺麗な建物があるわけではなく、壁がなく、柱と屋根だけのもので近所の人はかなり迷惑してるかも?そこでも踊りましたね。せっかくドミニカに来たのだから、踊りは上手になりたいものです。夜は試験農場内にある研修施設に泊まらせてもらいました。次の日はとてもすがすがしく起きました。広大な敷地にいろんなものが栽培されているのですが、隊員と散歩をしていたら管理人のおじちゃんが、木になっている大きなグレープフルーツをちぎってくれました。甘くておいしかった。この日は何もせず(というより何もないんです)、木陰でのんびり過ごしました。昼過ぎには今度はいとも簡単に首都に行くというお兄ちゃんの車の後ろにただで乗せてもらい、1時間足らずで帰ってきました。楽あり谷ありの楽しい旅でした。試験農場で採れた胡椒を分けて貰いましたが、これが本当においしいんですよ!また、行きたいですね、でも今度は1時間半で・・・。

☆旅の醍醐味
前号から旅について書いてますので、ついでに次の計画も報告します。次回は8月5日から10日ほどドミニカの北部を回る予定です。サントドミンゴを出発し、北部を東から西に回ります。隊員がいる町もあるのですが、それ以外は全部行き当たりばったりというか、行ってみないとわからないという旅です。これまた珍道中になることは間違いないのですが、まったく知らない所にまだ、ろくに話せないスペイン語で行くのですから不安はありますが、1人ではないので何とかなると思っています。2年間は長いようできっとあっという間に過ぎるのだろうから、できるだけ多くのドミニカを見たいと思っています。今回の旅では1度行った「ハラバコア」にも足を延ばすつもりです。丁度お盆くらいになるのですが、その頃はペルセウス流星群(流れ星)がよく見られる時期なので是非、星空の綺麗なハラバコアで星に願いをかけたいと思っています。

☆ドミニカの夏
今は日本も夏真っ盛り・・・。ここドミニカも同じです。1年中夏とは言っても7月〜9月は特に日差しが強く、日中は帽子、サングラスなしでは外は歩けません。毎日、汗びっしょりで水分をたくさんとらないと干からびそうです。職場で私がよく「あつーい!」って言っているので、周りのドミニカ人も日本語で「アツーイ!」と言っています。今までにも増して蚊もたくさんいます。「デング熱」という蚊を媒介とする病気があるのですが、今のところ同期の仲間にはいません。でも過去に数人、かかっているので気をつけなければなりません。高熱が続くのですが治療薬がないため、とにかく休んで熱に耐えることしかできません。出血性のものは生命の危機がありますが、そうでなければそう心配することはないということです。朝方は時々、冷えますが基本的に1日中暑いので扇風機(部屋の天井に付いてます)は回しっぱなしで、夜は蚊帳を使っています。ドミニカに来て早くも間もなく8ヶ月、暑さに慣れてきたとはいってもまだまだです。しかし、すでに真っ黒にはなりました。髪もかなり短くなり、髪も少し明るい色になりましたか。陽気なラテンの国、ドミニカに合わせてもっと明るく軽くしようかなと思っている今日この頃です。しかし不思議なのはドミニカ人はあまり汗をかかないのです。私たち日本人はとにかく毎日よく汗をかきます。私なんかそんなに汗をかくほうではなかったのですが、ここに来てからの汗のかき方は半端じゃありません。とにかくしっかり水分をとらないと・・・という感じです。これだけ暑い国で生活していながらドミニカ人の中には全然汗をかかない人もいます。それどころか握手とかすると冷たいんですよ。ある人が言うには彼らは年中暑い所で生活しているため、毛穴が最初から開かないのではないかということです。私たち日本人は四季のある所で生活しているので、毛穴が開いたり閉じたりして体温調節をしているのでしょうかね? 私にはよくわかりませんが・・・。汗びっしょりの私を見てドミニカ人は気の毒そうに「すごく暑そうだね。でも、もっと暑くなるよ」と言います。そうです、8月はもっと暑くなるのです。これからせっかく夏休みなのですが、少々憂鬱な気がします。
いかに暑さとつき合うか、これからの私の課題になりそうです。

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